古池や蛙飛びこむ水の音(ふるいけや かはずとびこむ みずのおと)
名月や池をめぐりて夜もすがら(めいげつや いけをめぐりて よもすがら)
夏草や兵どもが夢の跡(なつくさや つわものどもが ゆめのあと)
閑さや巖にしみ入る蟬の聲(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)五月雨をあつめて早し最上川(さみだれを あつめてはやし もがみがわ)
雲の峰いくつ崩れて月の山(くものみね いくつくずれて つきのやま)
荒海や佐渡によこたふ天河(あらうみや さどによこたう あまのがわ)
花の雲鐘は上野か淺草か(はなのくも かねはうえのかあさくさか)
初しぐれ猿も小蓑をほしげ也(はつしぐれさるもこみのをほしげなり)
月さびよ明智が妻の話せん(つきさびよ あけちのつまがはなしせん)
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る(たびにやんで ゆめはかれのをかけめぐる)